エリコン（Oerilikon）紡績有限及び両合公司（合資会社）、国家知識産権局　特許無効行政係争二審案

審理機関：最高人民法院知識産権法廷

判決結果：特許権利の有効性を支持

案件番号：（2020）最高法知行終279号

あらまし：2017年8月1日、国家知識産権局は第32984号無効宣告請求の審査に関する決定を出し、特許の有効性を支持しましました。無効請求者はこれに不服を申し立て、行政訴訟を起こしました。北京知的財産権法院一審の判決で、控訴中の国家知識産権局の決定を取り消し、本特許に関して提出された無効宣告請求に対する新たな審査決定を出しました。三友はクライアントの代理として一審の判決に不服を申し立て上訴しました。最高人民法院は、一審判決を覆し、特許の有効性を支持しましました。

典型的な意義：本案において最高人民法院は「区別技術特徴の認定において、発明の構想に対する考慮」という法律原則を確定しましました。具体的には、最も近い先行技術に対して、特許請求する発明の区別技術特徴を判断する際に、当該発明の発明構想から、当該発明と最も近い先行技術との間ある技術的相違点を確定します。もし当該発明の発明構想が、対応する個々の技術手段の組み合わせにあって、かつ先行技術がそのような組み合わせの教示を直接的にも暗黙的にも開示しておらず、またそのような組み合わせによって生じる技術的効果を開示していない場合、当該発明の保護するこのような技術手段の組み合わせは、区別技術特徴を決定する際に全体として扱われなければならず、そのうちの単一の技術手段を、区別特徴を構成するか否かの判断をするための基本的な対象とすることは適切ではありません。

この事例は、最高人民法院が2020年の典型的な事例として選んだものであり、このような事例の進歩性を判断する上での強い指針となっています。