北京三友が代理した「搏力谋」商標権侵害案件で損害賠償金300万元

知的財産権侵害案件では、これまで、損害賠償請求時に「挙証困難」という問題があった。近年、中国では、立法や司法実践などを通じて知的財産権の保護の度合いを高めて来ており、権利侵害に対するペナルティ制度を確立?健全化させた結果、知的財産権侵害の場合の損害賠償額を大幅に高めた。各地の裁判所においても、高額な賠償金またはペナルティが適用された典型的判例が相次いでいる。

「搏力谋」商標権侵害案件において、三友が商標権者を代理、裁判所は被告人に対して300万元の損害賠償金を支払う判決を言い渡した。現状では、損害賠償額は確かに高まってきたが、裁判所において、裁量権による賠償の適用であれ、ペナルティの適用であれ、何れも権利者が極力挙証することが必要とされ、例えば、ペナルティの場合では、ペナルティの起算点を確定するためには、権利者としては、その権利侵害により蒙った損失、権利侵害側が侵害により得た利益、または合理的実施料を挙証しなければならないとされている。「搏力谋」商標権侵害案件において、当方は商標権者の代理人として、被告人が関連の無効審判案件で提出した複数部の契約書、インボイスなどの販売証拠を提出し、権利者製品と同種の製品の営業利益及び権利侵害に係わる売上高の算定方法について十分に挙証をした。裁判所は商標権の知名度及び被告人に明らかな主観的悪意、権利者が提出した権利侵害側の販売証拠を総合的に考慮し、二審裁判所は最終的に、原審判決の損害賠償額が低すぎたと認定し、賠償額を300万元に調整した。同案件では、被告人が販売証拠には一部のインボイスと契約書が重複しており、一部の契約書が未履行のものであるなどの問題点が存在していると主張し、その関連案件において提出した販売証拠を否定しようとした。裁判所はその抗弁が明らかに信義則に違反しているとして、それを支持しなかった。同案件では、権利者が主張した損害賠償額に対する十分な挙証及び、裁判所が損害賠償額を確定した時に考慮した要因などは、これに類似する商標権侵害案件の場合における権利者の挙証にとって重要な指導的意義を持つ。