2025/5/23 10:27:37
中国最高人民法院は4月26日世界知的財産権デー宣伝ウィークに記者会見を開き、同会見で『中国人民法院における知財権に対する司法保護の状況(2024年)』及び2024年人民法院知財権典型案例を発表し、その中で抜粋された知財権案件の重要データは以下の通りである(図1):
(図1)
2024年、全国の人民法院が新たに受理した各種知財権案件は529370件(前年比2.67%減)であり、審理終結したのは543911件(前年比0.001%増)であった。そのうち、新たに受理した知財民事第一審案件449923件、審理終結457315件が含まれ、それぞれ2.65%と0.65%減少した。新たに受理した民事案件の類型と件数が占める割合は図2を参照。
新たに受理した知財民事第二審案件は30486件であり、審理終結したのは32055件であった。
(図2)
新たに受理した知財行政第一審案件は20849件(1.29%増)であり、審理終結したのは27745件(24.19%増)であった。新たに受理した行政案件の類型と件数が占める割合は図3を参照。
新たに受理した知財行政第二審案件は11666件(16.04%増)であり、審理終結したのは10874件(17.44%増)であった。そのうち、原審判決が維持されたのは9420件、改めて判決が行われたのは1091件、差戻再審は2件、撤回は207件、調停は4件、その他は150件であった。
(図3)
新たに受理した知財権侵害刑事第一審案件は9120件(24.34%増)であり、審理終結したのは9003件(29.22%増)であった。新たに受理した刑事案件の類型と件数が占める割合は図4を参照。
新たに受理した知財刑事第二審案件は1112件であり、審理終結したのは1068件であった。
(図4)
2024年、最高人民法院が審理終結した商標行政第一審案件は24979件であり、商標民事第一審案件は124918件であり、独占行為の成立と認定された案件は前年比2.1倍増の31件であった。審理終結した営業秘密侵害、通謀入札などの不正競争案件は1万件であった。
全国の人民法院は460件の知財民事権利侵害案件において懲罰的賠償を適用し、前年比44.2%増であった。最高人民法院は「新エネルギー自動車のシャーシ」に係わる技術ノウハウ侵害案件において、法律に基づき懲罰的賠償を適用し、判決した賠償金額は6億4000万元余りに達し、同案件は「新時代に法治プロセスを推進する2024年度案件Top10」にランクインした。
最高人民法院知識産権法廷は開設して6年以来、技術類知財上訴案件2万件近くを審理終結し、そのうち、戦略的新興産業に係わる案件は1233件に達し、32.3%を占めている。2021年以来、最高人民法院は法律に基づき医薬品専利リンクに係わる上訴案件37件を審理終結し、中国における医薬品専利リンク制度の確実な実施を効果的に推進している。