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コラム
三友代理のアンカーイノベーション商標無効審判請求案件が勝訴

2024/7/23 17:26:40

三友クライアント:アンカーイノベーション(Anker Innovations)

審理機関:国家知識産権局商標局

審判の結果:全ての係争商標が無効

案件の概要:

 アンカーイノベーション(Anker Innovations)は2011年に設立され、中国国内での営業収益がトップであるグローバル家電ブランド企業の1つであり、スマートアクセサリーとスマートハードウェアの設計、研究開発と販売に注力している。 2015年、アンカーイノベーションは京東商城(JD)と天猫(Tmall)で安克Anker公式旗艦店をオープンし、世界市場で中国の家電ブランドを形成し、中国のスマート製造の美しさを発揚するために尽力している。


被請求人孫〇〇は個人事業者であり、経営範囲は「金具工具」であり、全区分に亘って77件の商標を出願登録し、28区分をカバーしている。被請求人は2016から2020年にかけて、第6類、第7類、第8類の「医療用薬剤」、「楽器」、「被服」、「金融サービス」、「医療サービス」など、その経営範囲と大きく異なり、強い業界属性を持ち、特殊な資格要件を要する分野において、それぞれ「安克」、「安克ANKER」、「安克創新」などのシリーズ商標を出願登録した。この行為は請求人の屋号、コア商標「安克創新」に対する複製、模倣であり、被請求人が登録出願した商標は正常な経営上の需要を超えており、実際に使用するためのものではなく、信義則に反している。そのため、請求人アンカーイノベーションは上記シリーズ商標に対して無効審判を請求した。


被請求人は、2010年、即ち請求人の設立よりも前に第8類において「安克」、「ANKER」商標を出願登録し、第6類、第7類、第8類などの多くの区分において安克シリーズ商標権を取得したことは、その先行権利の合理的な継続に該当し、悪意がなく、市場秩序を攪乱していないと反論した。


代理の考え方向:

 三友の商標チームにおいて調査、分析を経て、代理弁理士は請求理由書に被請求人の経営概況、出願した商標の数、カバーする区分、期間などの情況についてそれぞれ分析?論述した。結果として、商標局は、係争商標の登録は正常な商標登録管理秩序を攪乱しやすく、公平競争の市場秩序を損ない、《商標法》(2013年改正)第44条第1項にいう「その他の不正な手段で登録を得た」情況を構成していると認定した。《中華人民共和国商標法》第44条第1項、第3項及び第46条の規定に基づき、係争商標を無効とする決定を下した。


典型的な意義:

 まず、安克創新(Anker Innovations)は請求人企業の屋号とコア商標として、市場で高い知名度を持っている。孫〇〇は早い時期に一部の関連商標を登録したが、その後の商標登録行為は正常なビジネス範疇を超え、明らかに悪意をもつ先取り出願登録の意図がある。次に、当案件も多くの業者に対して、誠実に経営し、フリーライドや商標の先取り登録などの不正な手段で利益を獲得しようとしてはならないことを警告している。最後に、当案例は、商標権益の保護と市場秩序の維持に対する法律の重要な役割を示しており、良好なビジネス環境の構築に役立つ。