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ニュースレター
202507

2025/8/1 10:33:41

2025年07月号

1、「不正競争防止法」改正案可決、10月15日施行

2025年6月27日、第14期全国人民代表大会常務委員会において「不正競争防止法」改正案が可決され、改正法は2025年10月15日より施行される。今回の改正は、法律条文を33の条項から41の条項に増やし、デジタル経済発展の需要に応え、企業の知的財産権に対する法律保護を強化している。その核心的ポイントは以下の通りである。


法改正における注目ポイントの解説

一、「混同」類不正競争行為に関する規定を充実させた

新法は、その第7条の箇所に以下の2項の重要改正を行っている。

1.第7条第1項第3号(新設):「ニューメディアアカウント名、アプリケーション名またはアイコンなど」の新型財産を法律の保護範囲に納入する内容を追加し、他人の一定の影響力を有するニューメディアアカウント名、アプリケーション名またはアイコンを無断で使用する行為が混同行為を構成することを明確にしている。

2.第7条第2項(新設):「他人の登録商標、未登録の著名商標を無断で企業名称における屋号として使用したり、他人の商品名称、企業名称(略称、屋号などを含む)、登録商標、未登録の著名商標などを検索のキーワードとして設定し、他人の商品であるか、または他人と特定の関連性があるかと誤認を引き起こす場合」、前項にいう混同行為に該当すると定めている。同条は、EC分野における「キーワードの使用」によるトラフィックの混同の問題点に対して解答を与えている。


二、商業賄賂、虚偽宣伝、商業誹謗などの不正競争行為に係る規定を充実させた

1.第8条第2項(新設):「前項にいう団体及び個人は賄賂を受け取ってはならない」ことを明確にし、収賄側に対する規制責任を整備し、行政法執行に法的根拠を提供している。

2.第9条第1項(新設):「その他の事業者」を虚偽宣伝行為の被害者として追加し、消費者に限定しなくなり、保護対象の範囲を拡大した。

3.第9条第2項(新設):「虚偽のコメント」を虚偽宣伝の表現形式として追加し、現在の「やらせレビュー」や「レビュー操作」などの行為に対して、その違法性を明確にしている。

4.第12条(改正):既存の規定の元に、「他人に指図して」、虚偽の、または誤認を生じさせるような情報を編集、伝播する行為を規制範囲に納入し、商業誹謗の手段に対する取締まりを強化した。


三、ネットワーク上の不正競争行為に関する規定を整備する

新法が第13条、第14条について重要な補足をしたことは、「不正競争防止法」改正の注目ポイントとなっている。

1.第13条第2項(改正):技術手段は、「データ及びアルゴリズム、技術」を含むことを明確にし、事業者がプラットフォーム規則を利用して他の事業者の合法的な営業活動を害する行為を禁止する内容を新設した。

2.第13条第3項(新設):「事業者は、詐欺、強迫、技術的管理措置を回避または破壊するなどの不正な手段により、他の事業者が合法的に保有するデータを取得または使用してはならない」と定めており、同条項は、データ権益に対する保護を強化し、データスクレイピングやデータ使用行為の規範化を図る。

3.第13条第4項(新設):事業者がプラットフォーム規則を濫用し、虚偽の取引、虚偽の評価、悪意の返品等の行為の実施を組織したり、他人に指図したりし、市場秩序を乱すことを明確に禁止する。

4.第14条(新設):「プラットフォームの経営者は、強制または事実上の強制を通じて、プラットフォーム内の事業者に、自らの価格設定ルールに従って原価以下の価格で商品を販売させてはならない」と定め、プラットフォームが業者に対して低価格競争のプレッシャーをかけることを抑制し、公正な競争環境を維持することを旨としている。


四、企業への未払い代金の滞納を解決する旨の規定を追設した

第15条(新設):「大手企業などの経営者は、自らの資金や技術、取引ルート、業界での影響力などの面における優位的地位を濫用して、中小企業に、明らかに不合理な支払期限、方式、条件及び違約責任などの取引条件を受け入れさせ、中小企業の貨物、工事、サービスなどに係わる代金を滞納してはならない」と定め、「売掛金回収期間ハラスメント」などの問題点に対して規制を加える。


新「不正競争防止法」の施行は、不正競争行為に対する規制力を強化するばかりでなく、デジタル化、プラットフォーム化が進む背景の下で、データ保護やプラットフォーム?ガバナンスなどの制度的手配を革新的に導入し、企業、特に中小企業に、より全面的で、より具体的な法的支援を提供している。企業が新法の条文を踏まえ、内部のコンプライアンス機制を整備し、経営行為の中で生じ得る不正競争リスクを予防することを薦める。


2、三友代表団は第3回「知的財産業界職業技能コンテスト」で優れた成績を収め

近日、首都知的財産権サービス業協会、中国知的財産権研究会特許専門委員会、北京(中関村)国際知的財産権サービスホールが共同で主催し、三友が協賛した第3回「知的財産業界職業技能コンテスト」が無事閉幕した。

三友のベテラン商標弁理士からなるチームは、商標総合技能コンテスト二等賞を受賞した。

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三友の2つの特許代理士検索チームはいずれも特許総合技能コンテスト三等賞を受賞した。

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3、「2024年中国特許集約型産業統計監測報告書」が発表され

2023年、中国における特許集約型産業付加価値の総額は16兆8713億人民元に達し、中国全国の総生産に占める比率は13.04となった。新型設備製造業は規模が最も大きく、付加価値額に占める比率は28.9であり、次は情報通信技術サービス業で、占める割合は23.3であり、その次は情報通信技術製造業で、占める割合は19.0であったことがデータから分かる。

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2023年、特許集約型産業における就業人口は5081万2100人であり、2022年に較べ雇用が164万5600人を増やし、0.16ポイント上昇となった。1人あたり労働生産性は33万7500人民元に達し、2022年に較べ2万4500人民元増加した。

特許集約型産業は、総利益額3兆6100億人民元、営業収益率7.43を実現し、そのうち、医薬医療産業の営業収入利益率は14.52と最も高く、新製品の売上高は18兆人民元を突破し、2018年に較べ6.30ポイント上昇した。

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2019年から2023年にかけて、特許集約型産業の年平均特許権取得件数は39万6200件であった(香港特別行政区、澳門<マカオ>特別行政区、台湾地区を除く)。特許密集度は410件/1万人に達した。規模が上位30位の業種のうち、工学及び技術研究と試験発展業界が1位となり、特許権取得件数は11万1816件に達した。

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