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ニュースレター
202603

2026/6/2 11:50:13

2026年03月号

1、2026年『営業秘密保護規定』改正のポイント

 一、営業秘密の構成要件の変化

 1.営業秘密の定義の修正:旧規定における「経済的利益+実用性」を統合して、より広範な「営業価値」に概括し、定義のカバーする範囲を拡大した。

 2.営業価値の拡大:新規定では、現実的価値+潜在的価値の保護が明確化され、段階的成果、失敗した実験データ、技術方案が保護範囲に納入された。

 3.非公知性の判断の一層厳格化:新規定では、権利侵害行為の発生時点が判断時点とされ、公開情報を整理?改良?加工した新たな情報は、改めて非公知情報として構成され得るとされている。

 4.秘密保持措置の大幅な拡充:旧規定では、従来の秘密保持契約、制度に限られていたが、新規定では、リモートワーク、越境協力、権限の段階化、データマスキング、操作履歴の痕跡残し、機密場所の区画管理、退職者の機密情報消去などのデジタルシーンに対応する措置が追加された。


 二、保護範囲の拡大

 1.技術情報:新規定には、アルゴリズム、コンピュータープログラム、ソースコード、データなどが明確に含まれている。

 2.経営情報:新規定には、顧客の取引習慣、意向、内容といった深度情報が明確に含まれている。

 3.顧客情報:旧規定と異なって、顧客情報は、顧客リストに留まらず、取引習慣、意向、内容といった情報も含む。


 三、侵害行為の認定の一層詳細化、厳格化

 1.「電子的侵入」などのデジタル権利侵害の新設:システム、サーバー、メールボックス、クラウドストレージへの侵入、悪性プログラム、脆弱性攻撃、権限を超えた秘密情報のダウンロード?伝送を明確に禁止する。

 2.教唆侵害、誘導侵害、幇助侵害に対する明確な禁止:旧規定では単独で規定されていなかったが、新規定では、間接侵害が規制の対象に入れられた。

 3.第三者権利侵害ルールの一層明瞭化:新規定では、他人の権利侵害行為を知りながら、または知り得ながら、取得、使用、開示した場合、権利侵害行為とみなされることが明確化されている。

 4.適法行為の境界の一層明確化:新規定では、独自研究開発、リバースエンジニアリング、元従業員が汎用知識?経験を使用し、法律に基づき公共利益のために開示することは、権利侵害行為に該当しないことが詳細化されている。


 四、立証ルールにおける重大な突破(最も重要な変化)

 1.「実質的同一+接触可能性」という権利侵害推定ルールを確立し、権利者が以下の2点を立証すれば、権利侵害を推定できる。

 01.被疑侵害者の使用する情報が営業秘密と実質的に同一であること。

 02.被疑侵害者には営業秘密を取得する条件があること。

 2.立証責任の権利侵害者への転換:権利侵害の推定が成立した後、立証責任は被疑侵害者に転換され、被疑侵害者は自分が合法的に取得または使用したことを立証することになり、さもなければ、権利侵害であると認定される。

 3.鑑定及び専門家意見の支援:非公知性及び実質的同一性について司法鑑定を行えることが明確化される。


 五、管轄及び執行権限の移上げ

 1.技術ノウハウ案件の管轄が上位へ移管され、新規定では、技術ノウハウは一般に区が設置された市級以上の市場監督管理部門が管轄することになる。

 2.執行手段が大幅に強化され、旧規定では、検査、聴取、資料の複製に限られ、

新規定では、財産の差押え?留置、銀行口座の照会が追加されたとともに、段階的審査?承認が明確化されている。

 3.執行の秘密保持義務を強化する:執行担当者は秘密を保持しなければならず、行政処罰決定書には、営業秘密の内容が開示されてはならない。

 4.最小限の介入原則を強調し、正常な経営への影響を減少させる。


 六、法律責任の大幅な加重

 1.罰金の上限が大幅に引上げられた:旧規定では最高20万元となっていたが、新規定では、一般には10万~100万元であり、情状が重大である場合は100万~500万元になる。

 2.「情状が重大である」情況を明確にする:損害額が比較的高額である場合、経営に著しく影響を及ぼした場合、国家利益に危害を加えた場合、または2年以内に再犯する場合などが含まれる。

 3.権利侵害行為差止措置がより具体化へ:使用行為の差止、媒体の返還?廃棄、被疑侵害品の廃棄、営業秘密の消去を命じ、期間は一般に該秘密が秘密でなくなるまでとされている。


 七、その他の重要制度の変化

 1.権利者の範囲の拡大:新規定では、所有者+被許諾者+被授権者が含まれることが明確化されている。

 2.域外効力の新設:域外において営業秘密を侵害する行為を実施し、国内の事業者の権益を損なった場合は、本規定が適用される。

 3.国家秘密法との整合:同時に国家秘密にも該当する場合、秘密保持法が優先して適用される。

 4.施行時期:新規定は2026年6月1日より正式に施行される。


2、両会における知的財産権の声:イノベーションを守り、企業をエンパワーメントする

 2026年の両会(中華人民共和国全国人民代表大会、中国人民政治協商会議)が北京で開催された。今年の両会における知的財産権関連提言は、全体として新質生産力の発展とハイレベルな科学技術の自立自強をしっかりと軸に据えて、立法、司法、行政、産業、プラットフォームなど多角的な視点から体系的な提言を行い、国家が知的財産権の全チェーンにわたる保護を高度に重視していることを示しているとともに、今後の政策がさらに厳格な保護、効率的な保護、協調的な保護へと傾くことを予告している。

 複数の出席者は、技術調査官制度の整備、知的財産権訴訟特別手続法の制定、悪意訴訟の規制に焦点を当て、長い間存在していた、権利行使の長期化、高コスト化、専門性不足といった問題点を解決し、司法資源の適正な配分を推進し、司法によるイノベーションへの最後の砦としての保障機能を強化することを目的としている。

AI生成コンテンツ、デジタル著作権、ECライブコマース、AIマンガドラマなどの新興シーンについては、提言は、権利侵害の認定、迅速な権利行使、権利帰属の確定、コンプライアンスコストが見過ごすことのできないこととして注目している。これは、デジタル経済下における権利侵害行為のオンライン化、規模化、隠蔽化という傾向を反映しており、監督管理と保護メカニズムの同期高度化が急務となっている。

 医薬、太陽光発電、インテリジェントホーム、アパレルなどの業界に対して、漏れなく的を絞った提言がなされ、パテントプールの構築、医薬品特許制度の最適化、プラットフォーム強制的保護ルールなどの側面からアプローチし、これは、知的財産権政策がマクロ的な指導から産業別細分化?実行化へと移行し、実体経済と重点産業の質の高い発展をより良く支えていることを体現している。

 中部知識産権専門法院を設け、農業関連知的財産権の保護を強化するなどの提言は、地域間の保護格差の縮小、司法サービスの末端への浸透に資し、知的財産権保護を重点都市、重点産業からより広範な地域、より基層的な主体へとカバー範囲を拡大するように推し進め、農村振興と地域調和発展に貢献するものである。

 全体として見ると、今年の提言は、立法の先見性、司法の実務的な実行可能性、産業別の的確性を兼ね備え、企業の見過ごすことのできない関心事に応えながら、国家戦略の方向性にも合致している。今後、関連立法改正、プラットフォームルール、執行メカニズムの早期実現が予想される。企業にとっては、リスク管理、コンプライアンス管理、権利救済対応プランを事前に強化し、政策の方向性の下でイノベーション発展の機会をより良く捉える必要がある。


3、2025年最高人民法院活動報告書における知的財産権関連中心内容の概要

 2025年最高人民法院活動報告書によると、知的財産権司法保護の最新の方向性と重要なデータは以下の通りである。


 1.案件審結総数:中国全国各級法院は、知的財産権関連案件計49万4000件を審結し、前年同期比で0.3%増加し、特許、商標、著作権、営業秘密、データ権益など全分野をカバーしている。

 2.年間で、知的財産権侵害犯罪で計1万9000人を処罰し、前年同期比で6.2%増加し、悪意の権利侵害、営業秘密権利侵害などの犯罪行為の取締まりに力を入れた。

 3.知的財産権に係わる不正な大量訴訟の取締まりを深化させ、法律に基づき提訴計2331件を棄却し、司法処罰計694件を行った。

 4.最高人民法院はあるNC工作機の技術ノウハウ侵害案件を審理し、悪意の権利侵害者及びその企業に対し、連帯して3倍の懲罰的賠償計3億8000万元を負担する旨判決を下した。これは、高額賠償の典型判例となり、技術ノウハウに係わる権利救済における模範判例となった。

 5.営業主体に係わる行政許可、行政契約類案件計2万5000件を審結し、前年同期比で4.7%を増加し、独占禁止及び不正競争防止に対する司法的取締まりを強化し、独占に係わる民事案件計27件を認定した。

 6.データに係わる権利帰属、取引紛争案件計908件を審結し、前年同期比で25.6%を増加し、懲罰的賠償などの方式によって、データ集合の窃取、データ権益侵害行為を処罰した。

 7.新質生産力の着実な発展:ハイテク製造業は9.4%増加し、設備製造業は9.2%増加し、産業用ロボット生産台数は28%増加し、集積回路生産量は10.9%増加し、新エネルギー自動車の年間生産台数は1600万台を超え、電気自動車充電施設は2000万基を突破した。科学技術イノベーションは多くの成果を上げ、産業構造は最適化されつつある。


 2025年、中国における知的財産権司法保護は、保護のより厳格化、裁判のより専門化、重点のより突出化という傾向を示し、技術ノウハウ、データ権益などの新分野に対する保護を著しく強化した。司法環境全体はより一層規範化?透明化とされ、中外企業のイノベーション、投資及びコンプライアンス経営のためにより安定的で予測可能な法治的保障を提供している。


4、三友の国内業務ラインナップ、商標業務ラインナップ、新オフィスへの移転

 三友の国内業務ラインナップ、商標業務ラインナップがこのほど、新オフィスへ移転し、新たな拠点から知的財産サービスの新たな展開をスタートさせる。

 住所:北京市西城区金融大街35号国際企業ビルA棟16階

 Tel:+8610-88091921、+8610-88091922

 三友の新オフィスエリアでは、デジタルオフィスシステムがアップグレードされ、スマートツールとクラウド型コラボレーションを利用することで、代理人の作業効率が大幅に向上し、リモートワークとグローバル化したリアルタイムなコミュニケーションを実現し、完全にAIスマート時代に見合うようになっており、クライアントにより効率的でより便利なサービス体験を提供している。

 これまでのご愛顧?ご支援に感謝するとともに、皆様のご来訪をお待ちしている。新たなスタート地点で、手を携えて共にウィンウィンの未来を築き上げることを楽しみにしている!